【肩甲骨周りに痛み。原因と種類について説明!】
肩甲骨周りの痛みは場所がはっきりとしないことで症状の原因がわからず困っている方も多いのではないでしょうか。今回は肩甲骨の周りの症状にはどんな疾患があるのか、またそれぞれの原因と対処法についてお伝えさせていただきますね!
肩甲骨の役割について説明
肩甲骨は鎖骨や上腕骨と連動することで腕と胴体のつなぎ目になり、肩を安定させることと同時に広い範囲をスムーズに動かせるようにする重要な役割があります。
そのため肩甲骨の位置が崩れると肩の動きに制限がでるだけではなく、姿勢の崩れを引き起こし腰痛や膝痛などの原因の一つになってしまうリスクがあります。
また肩甲骨は、鎖骨、上腕骨、肋骨と関節を作ります。これらの関節が合わさることで胸郭と言われる胸の周りの骨格を作っています。胸郭は心臓や肺などの臓器を保護し呼吸をするための重要な役割を担います。
肩甲骨はその広い可動性を保つために骨と骨の強い関節のつながりを持っておらず、内側の筋肉と外側の筋肉に挟まれることで、その位置を保っています。
そのため筋肉の付き方に偏りがあったり、部分的にコリ症状があることで肩の動きを妨げてしまったり、肩こり、首コリなどの症状の原因にもなってしまいます。
肩甲骨周囲の痛みの種類
1.筋肉が原因となる痛み。
2.関節の痛み。
3.内臓疾患から来る痛み。
1.筋肉が原因の痛み。
肩甲骨に付く筋肉は片側だけで17個も付着します。
それらの筋肉は四方八方から付着し、それぞれの筋肉がお互いに連携しながら肩を動かしたり、肩甲骨の位置を安定させています。
肩の動きはそれだけ多くの筋肉が協力していることで、広い範囲を動かすことを可能にしています。
それらの筋肉が原因で起こる疾患をいくつかご紹介します。
・肩こり
肩こりの正体は通常では筋肉は使われないときは緩んでいますが、疲労や血液循環の悪さ、偏った使われ方により筋肉が勝手に収縮し続けてしまう状態です。
・四十肩、五十肩(肩関節周囲炎)
肩関節周囲の組織が過負荷や老化、積み重なった負担によって肩関節の周囲に炎症を引き起こしてしまう病態だと考えられています。
・腱板断裂、腱板損傷
腕を胴体とつなぐために肩関節を包むように付着している回旋筋腱板という組織が肩を繰り返し動かすことで腱が摩耗や伸張させられることで痛めてしまいます。
・石灰沈着性腱板炎
肩にある回旋筋腱板の内部でリン酸カルシウムが結晶化して沈着したことで炎症を引き起こしてしまう疾患。
2.関節が原因の痛み。
肩甲骨は、鎖骨、上腕骨、肋骨と関節を作ります。これらの関節が合わさることで胸郭と言われる胸の周りの骨格を作っています。胸郭は心臓や肺などの臓器を保護し呼吸をするための重要な役割を担います。
また胸郭を血管や神経、リンパ管が通ります。
・頚椎椎間板ヘルニア
頚椎の間にある椎間板と言われるゲル状の組織が首の姿勢の悪さや負担によって飛び出し、神経を圧迫して痛みやシビレを誘発する疾患。
・胸郭出口症候群
胸郭を通る神経が関節の動きの悪さやアライメント(姿勢)の崩れによって圧迫され神経症状や痛みを引き起こす疾患。
・肩鎖関節脱臼
自転車や柔道など肩から転倒した際に、肩鎖関節と呼ばれる肩と鎖骨で構成された関節が脱臼してしまう疾患。
3.内臓疾患から来る痛み。
内臓疾患に重篤な病気の場合は、背部痛以外にも症状が出やすいことにも注意が必要です。
あくまで目安となりますので、気になる症状があれば専門医へ相談しましょう。
・肺がん、気胸、膵臓疾患
・心臓疾患:狭心症、心筋梗塞、大動脈解離
・胆のう疾患:胆のう結石
・膵臓疾患
背中の左側に出る痛み:心臓、膵臓、肺、胃
背中の右側に出る痛み:肝臓、胆のう、胆管
背中の中央や腰あたり:腎臓、膵臓
まとめ
このように肩甲骨周囲の痛みは明確に区別ができないものもあります。症状によっては自己判断して放置してしまうことで知らず知らずのうちに悪化させてしまうことがあります。
背中の痛みはご自身の体に出ている異常を教えてくれているのだと考えて検査や相談をしてみてくださいね!